④「残業代未払いは危険!」知っておくべき労働基準法の基礎知識

「うちの会社では、残業代は固定給に含まれているから大丈夫」 「タイムカードを押さずに残業させているけど、みんな文句を言わないから平気」

中小企業の経営者様の中には、こうした認識をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。 しかし、残業代の未払いは、会社の信用を失うだけでなく、経営を揺るがす重大なリスクをはらんでいます。

この記事では、経営者が知っておくべき労働基準法の基礎知識と、残業代未払いが会社に与える危険性について解説します。

1. 労働基準法が定める「労働時間」のルール

まず、労働基準法が定める基本的なルールを再確認しましょう。

  • 法定労働時間: 1日8時間、週40時間が原則です。
  • 時間外労働(残業): 法定労働時間を超えて労働させる場合、事前に「36協定(さぶろくきょうてい)」を締結し、労働基準監督署に届け出る必要があります。

このルールを破って従業員に労働をさせた場合、罰金や罰則が科される可能性があります。

2. 残業代未払いが会社に与える3つの危険性

「残業代を払わなくても、従業員は何も言ってこないから問題ない」と思っていませんか? 表面上は穏やかでも、残業代の未払いは、水面下で会社に大きなリスクを生じさせています。

危険性①従業員からの訴訟・労働審判のリスク 従業員が労働組合や弁護士を通じて残業代を請求した場合、過去2年分(2020年4月以降は3年分、いずれは5年分に延長予定)の未払い残業代を、まとめて支払うよう命じられる可能性があります。 請求金額は、未払い残業代に加えて、遅延損害金も上乗せされるため、莫大な金額になることも少なくありません。

危険性②労働基準監督署からの是正勧告 従業員からの申告などにより、労働基準監督署の調査が入ることがあります。 そこで残業代の未払いが発覚した場合、是正勧告を受け、未払い分を支払うよう指導されます。勧告に従わない場合、悪質なケースでは送検されることもあります。

危険性③会社のイメージダウン・信用失墜 残業代の未払い問題が明るみに出ると、会社のブラックなイメージが定着し、社会的な信用を失います。 これにより、優秀な人材が集まらなくなる、取引先との関係が悪化するなど、経営に深刻な影響を及ぼします。

3. 今すぐ見直すべきチェックポイント

残業代未払いのリスクを防ぐために、以下の点を今すぐ見直しましょう。

  • 勤怠管理: タイムカードや勤怠管理システムで、従業員が働いた時間を1分単位で正確に記録していますか?
  • 36協定: 時間外労働をさせている場合、最新の36協定を労働基準監督署に届け出ていますか
  • 給与計算: 残業時間や深夜手当、休日手当が、法律で定められた割増率で正しく計算されていますか?
  • 固定残業代: 固定残業代を導入している場合、その内訳を給与明細に明記し、超過分は追加で支払っていますか?

まとめ:労務のプロに相談し、健全な会社づくりを

労働基準法は、経営者にとって「守るべきルール」です。 このルールを守ることは、従業員との信頼関係を築き、健全な会社を運営するための第一歩となります。

もし、「自社の勤怠管理や給与計算が本当に正しいのか不安…」と感じているなら、放置するのは非常に危険です。

私たち社会保険労務士は、労働基準法の専門家として、御社の労務管理が適正に行われているかを確認し、改善策をご提案いたします。